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CPU周波数と無線周波数

CPU周波数よりも無線周波数が高いのはなぜ?

CPU周波数(CPUクロック数)のオーダーは 数GHz。

一方、無線周波数のオーダーは、例えばミリ波だと数十~数百GHz。

突き詰めるとどちらも「電圧の振動」なのに、これほどの差があるのはなぜ?

結論

  • 歴史の長さ(CPU周波数は1970年頃、無線周波数は1900年頃に誕生)
  • 周波数向上による発熱量の差

歴史の長さ

無線周波数の誕生は1900年頃で歴史が長い。

ダイポールアンテナに交流を流すと電磁波を送波できるというシンプルな原理から始まっている。

一方、CPU周波数の誕生は1970年頃で歴史が短い。

チップ上にトランジスタを数千個配置して演算するところから始まった。

周波数向上による発熱量の差

CPU周波数回路と無線周波数回路では前者のほうがトランジスタ数がかなり多いので発熱しやすい。

また、CPU回路はほぼ常に何かしら動作しているが、無線回路は送受信がないときはスリープすることが可能。

よって、周波数向上時にはCPU周波数回路のほうが発熱問題が発生しやすい。

無線のほうは入力周波数から電子を振動させて電磁波を発生させるだけでよいが、CPUのほうは様々な演算回路を動作させる必要があるので発熱しやすい、というのが直観的説明。

その他の疑問など

周波数はどのように実現している?

基本的な構造はどちらも同じで、基準周波数を回路で逓倍することで任意の周波数を実現している。

基準周波数としては、水晶振動子やセラミック振動子が使用される。

回路で周波数を逓倍を実現する機能をPLL周波数シンセサイザという。

高精度だが周波数が低い水晶振動子を入力とし、低精度だが周波数が高いVCO(電圧制御発振器)を含むPLL回路を通すと、安定した高周波数が得られる。

例えば、core i9 のCPU-Zの結果では、基準周波数が100MHzで、逓倍率50で5GHzを実現している。

そして、その100MHzを逓倍率16, 20などでクロックアップして、メモリクロックやシステムバスクロックとして使用している。

水晶振動子とは?

水晶振動子について。

圧力を加えると電圧が発生する(圧電効果)

電圧を加えると水晶が変形する(逆圧電効果)

直流電圧を加えると、水晶はコンデンサとして作用する。

交流電圧を加えると、特定の周波数帯でコイルとして作用する。

その周波数帯のコイル性と、2つのコンデンサを並列に組み合わせることで、高精度なLC共振回路として使用できる。

周波数が高精度なので基準周波数として使用される。

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